考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則グロービスマネジメントインスティテュート /バーバラ ミント
ダイヤモンド社 刊
発売日 1999-03
明快な文章を書くことは、明快な論理構成をすることにほかならない――。
本書は、マッキンゼーをはじめとする世界の主要コンサルティングファームでライティングのコースを教えるバーバラ・ミントが、独自の文書作成術を披露した本である。
著者はまず、多くの人がわかりやすい文章を書けないのは、論理構造に問題があるからだ、と指摘する。その上で自らが考案した「ピラミッド原則」と呼ばれる考え方を提示し、物事を上手に論理立てて述べるテクニックを伝授していく。序文で人の注意を引きつけるにはどうすればいいか、相手を説得するのにどんなロジックを用いればいいか、問題点をどうやってまとめればいいか…。文章について人々が抱くさまざまな疑問点について、それぞれ適切なフレームワークを用意している。サンプルとして用いられている事例が複雑でわかりにくいのは気になるが、その分実務でも応用可能な論理的思考の訓練ができる。
仕事で報告書や企画書を作成する必要のある人は、本書の内容を実践することで、戦略に基づいた説得が可能になるだろう。読むのに骨が折れるが、その分密度の濃い1冊だ。(土井英司)
論理は範囲である 2000-12-11
本書はすぐれた思考・作文の方法論を解説する以上の価値をもっている。それは「論理」に対する本書の意識にある。時として、論理は物事を述べる順序だと言われる。けれど、その本質はある人が物事をどこまで明晰に見つめ考えているかにある。論理はむしろ範囲なのだ。このことをはっきり意識している本書にとって、ピラミッド・プリンシパルなど場合に応じて捨て去ることは容易い。大切なのは、物事を考える方式や考えを述べる順番ではなく、自分自身がどれだけ徹底して物事を見つめるかにあるのだから。
ロジカルシンキングはこの本一冊でOK 2002-05-09
いろいろな本が出ていて、そのうえいろいろな人がいろいろなことをいっているので 「もう どれがいいからわかんない。 ぜんぶかっちゃえ!」 などとおもっていませんか。
上級者とおもっている人もこの本はあなどれませんし、「自分には難しい」とおもっている人もがんばってよみましょう。トップコンサルティングファームでも「読め」といわれている本です。
とにかくこの1冊で十分です。いろいろ手を出すのはやめましょう。
「型」は独創性の源泉である。 2001-01-16
本書は考え「型」、書き「型」を教えてくれる本である。一般的に、或る「型」を受け入れることは、個々が我流で築き上げたオリジナリティを消し、ひとつの決められた形に矯正されていくイメージを受けがちである。しかし、「型」を持つことは、独創性の源泉となりうる。型を学んだ上で、それを実行に移すこ時には、無意識で行っていたことを意識的に行わなければならなくなる。そこでは、個人の個性、独創性が嫌でも表れてしまう。つまり、「型」を持つことは、逆説的に、それぞれの独創性や個性を引き立てる結果につながるのである。日本人は、小学校から習字や書き方の授業で字の「型」を繰り返し習練してきた。それにも関わらず、日本人の手書きの文字には、書いた人の個性が実に明瞭に表れてしまう。一方、アメリカ人の書く字は(私の知っている限りであるが、)概して似たり寄ったりである(その上、お世辞にも綺麗であるとは言い難い)。その原因は、アメリカでは日本ほどには書き方授業に力を入れていないところにあると思われる。コンサルティングの付加価値は、説得力だけではなく独創性によっても決められる。マッキンゼー等のコンサルティング会社の独創性は、確固とした考え「型」、書き「型」を持ち、それを徹底的に教え込んできたところに一端があったのだと、妙に納得してこの本を読み終えた。
不滅の名著 2005-06-15
ハーバード大学ビジネススクールの教科書にもなっている定番です。著者自らもハーバード大学ビジネススクールを卒業後マッキンゼー社で初の女性コンサルタントとして活躍した経験から執筆されたものです。本書には論理的に考えるにはどうしたらいいか、論理的に書くにはどうしたらいいかがとても明確に示されています。著者は、トップダウン方式で書きボトムアップ方式で考える事を勧めています。すべての情報をグループごとに要約しピラミッド型に展開する事と、ボトムアップの3つの鉄則、すなわち、
1、どのレベルであれメッセージはその下位グループを要約すること
2、各グループ内のメッセージは常に同じ種類のものであること
3、各グループ内のメッセージは常に理論的に順序づけられていること
が重要です。そして理論的に順序づけるということは、演繹の順序(大前提、小前提、結論)、時間の順序、構造の順序(北から南、等)比較の順序(1番重要なもの、等)の4つの方法しかありません。私はここまで、本書を参考にトップダウン方式でピラミッド型にレビューしました。考える方法としては、基本的に状況、複雑化、疑問、答えの4つを組み合わせる事が重要です。例えば、状況(会社は生産能力の過剰問題を抱えていると伝えた)、複雑化(我々は競合相手が撤退するのでこの問題は長期化しないと考えた)、疑問(何を発見した?)という具合です。この点、樋口裕一著の「ホンモノの思考力」で提示されている、定義(そもそもーとは)、現象(今、問題になっているのは)、結果(このままでいくと)が類似していますが、そこで提唱されている3WHAT3W1Hよりずっと簡潔です。本書は、ビジネススクールの学生ならずとも、考える事を磨いてくれる名著です。同時に原作を読むこともお勧めです。
より一般的で包括的な 2005-10-13
外資系コンサルティング会社に勤務する先輩に本書を薦められた。私はこういった類の本に拒否反応を示す人間であったので、
実際に手に取ってから読むまで時間がかかった。しかし、その懐疑が歓喜へと変わるのにそう時間はかからなかった。コンサルティングを職業とする人向けにかかれたものだが、
論理的な思考と、文章作成の能力の向上に役に立つと言う意味で
本書の魅力はより包括的であり、一般的である。また、How to に終始することなく、"なぜ"という問いかけを含むため
この手の他の本に比べ文章の厚みを感じることができる。最初の数章読むだけで、あなたは自分の能力の向上を実感するだろう。
さらに詳しい情報はコチラ≫


この記事へのコメント